2022年W杯カタール大会・アジア1次予選、モンゴル代表の運命やいかに…。

2022年W杯カタール大会・アジア1次予選、モンゴル代表の運命やいかに…。

2022年ワールドカップ・カタール大会、アジア1次予選が2019年6月6日、6月11日の2日間で開催されました。過去に一度も1次予選を突破したことがないモンゴル代表。果たして運命やいかに…。試合のハイライト動画も交えて、モンゴル現地の様子をお伝えします。


2022年ワールドカップ・カタール大会、アジア1次予選が2019年6月6日、6月11日の2日間で開催されました。

モンゴル代表はブルネイ・ダルサラーム代表(以下:ブルネイ代表)との対戦。アジア1次予選には、アジアの中でFIFAランキング下位国の12チームが参加。抽選で決められた対戦国と、ホーム&アウェイの2試合を行います。2試合の合計スコアでの勝者が、2次予選に勝ち上がれるレギュレーションです。

日本や韓国のようなアジアの中でのFIFAランキング上位国は、1次予選が免除されており、2次予選からの参加となります(アジア内でのFIFAランキング上位34チームが1次予選免除)。

2022年ワールドカップ・カタール大会、アジア1次予選の対戦カード。

モンゴル代表は2002年日韓大会予選から連続で過去5回、ワールドカップのアジア予選に参加しておりますが、全て1次予選で敗退。前回の2018年ワールドカップ予選では、2015年に行われた東ティモールとの試合に敗れ、世界最速での敗退国となったことが話題になりました。

しかし、2017年にドイツ人のミヒャエル・バイス氏(元フィリピン代表監督・国見高校や京都サンガでの指導歴もあり)が監督に就任。また、国内リーグも世界各国から外国人監督、及び外国人選手が多数集まるようになりました。そのため、近年のモンゴルサッカーは、以前とは比べものにならない程に成長著しい状況となっております。

今回のワールドカップ予選では、初の1次予選突破に向けて、サッカー協会を中心に色々と対策を進めておりました。国際Aマッチデーではない国内リーグ戦の開催中でも、選ばれた代表選手が所属チームから離れて定期的にトレーニングを行い、初戦の2週間前からはタイへの海外遠征を行うなど、国を挙げてサポート体制を築いていました。

ホームでの第1戦は、選手全員が国内リーグで使い慣れている、MFFフットボールセンタースタジアムでの試合です。普段のリーグ戦とは比べものにならない人数の観客が集まり、モンゴル代表を応援で後押しする最高の雰囲気の中で試合が行われました。

モンゴルの首都ウランバートルで行われたブルネイ代表との初戦。スタジアムに集まった多くのモンゴル代表サポーターと選手達。

試合は前半10分、モンゴル代表が得たゴール前でのフリーキックを、キャプテンマークを巻くツェデンバル選手(Ulaanbaatar City FC所属)が左足で直接ゴールを決めて先制に成功。

その後も、ボールを支配し続けてモンゴル代表が試合のペースを握る展開。追加点こそ奪えませんでしたが、試合を優位に進めて良い流れのまま前半が終了。後半もそのペースは変わらず、終始モンゴル代表が押し込む試合展開です。

後半68分、相手のミスから得たチャンスをエースストライカーのナランボルド選手(Athletic220 FC所属)が、着実にゴールへ流し込み追加点。2対0のリードを守りきったモンゴル代表が、初戦を制しました。

試合の翌朝にはブルネイへ移動し、現地でコンディションを整え、アウェイでの第2戦に備えたモンゴル代表。極寒の地として知られるモンゴルには存在しない『暑さ』のなか、運命の6月11日を迎えました。

数多くのブルネイサポーターが押し寄せたアウェイでの第2戦。試合は開始早々に動きます。前半4分、ブルネイ代表のフリーキック。左サイドから直接狙われたボールは、モンゴル代表のGKアマルバヤスガラン選手(FC Ulaanbaatar所属)が一度は弾くも、ルーズボールをブルネイ代表の背番号10番、ラジミ・ラムリ選手(ブルネイDPMM FC所属)に押し込まれてしまい失点。ブルネイ代表が試合開始早々に先制点を奪います。

前半33分、またしてもブルネイ代表のフリーキック。ゴール正面から直接狙われたシュートのこぼれ球を、またもブルネイ代表のラジミ・ラムリ選手に押し込まれてしまい失点。第1戦で奪った2点分のリードを前半で同点にされてしまい、モンゴル代表にとっては苦しい試合展開となります。

しかし、後半開始直後のファーストプレーで、モンゴル代表が相手のファールからPKを獲得。このPKを、キャプテンのツェデンバル選手が落ち着いて蹴り込みゴール。この時点で、2試合の合計スコアが3-2となり、再びモンゴル代表がリードを奪う展開となります。

その後、勝ち上がるためにはゴールが必要なブルネイ代表が、ホームの大歓声も含めて、猛攻を仕掛けてきます。後半のボール支配率はブルネイ代表8割、モンゴル代表2割と言っても大袈裟ではない程、ブルネイ代表はゴールに迫りました。しかし、モンゴル代表は後半から途中出場したGKのアリウンボルド選手(Erchim FC所属)を中心に自陣ゴールを鉄壁の守備で死守しました。

そして、『6分』と表示された長いロスタイムも、11人全員でゴールを守りきり試合終了。モンゴル代表にとって歓喜の瞬間を知らせる試合終了のホイッスルが鳴ると、ベンチメンバーがピッチ内になだれ込み、モンゴルサッカー史上初のワールドカップアジア1次予選突破達成を喜びました。

試合翌日、モンゴルへ帰国した代表チームを待ち迎えていたのは、アウェイの地でアジア2次予選への切符を掴み取った選手やスタッフたちを称えるために、空港へ集結した数多くのサポーターたち。モンゴルサッカー界はもちろんのこと、モンゴル国民に勇気と感動を与えてくれた代表チームは、英雄のように称えられました。

モンゴル・チンギスハーン国際空港に集まったモンゴル代表サポーターたち。快挙を成し遂げたモンゴル代表チームを大声援で出迎えた。

アジア2次予選に進出したモンゴル代表は、抽選結果によって日本代表と対戦する可能性もあります。私とチームメートで、1次予選2試合に出場した19歳のバリジャニャム選手(FC Ulaanbaatar所属)は、「日本代表と試合がしたい。憧れのシンジ・カガワと対戦したい!」と話していました。

モンゴル代表・バリジャニャム選手(FC Ulaanbaatar所属)。
まだ年齢は19歳だが、モンゴル代表の中心選手として活躍する期待の若手選手。

モンゴルサッカー界にとって、日本代表のようなワールドカップ常連国との対戦は、非常に重要な経験になるでしょう。特に、バリジャニャム選手のように、今後のモンゴルサッカー界を担う若い世代の選手たちにとっては、世界を知る大きなチャンスです。今回の1次予選で手にした成功体験を、今後の更なるモンゴルサッカー界の発展に繋げてほしいと願うばかりです。そして、モンゴル代表vs日本代表が実現することを、日本人としてモンゴルリーグで3シーズンプレーしている私は、強く祈っております。

2022年ワールドカップ・カタール大会、アジア1次予選を突破したモンゴル代表。
2次予選では、どのような戦いを見せてくれるのか注目だ。

このまとめのライター

●『KAZUTAKA OTSU 蹴球サロン』運営中
参加ページ→https://ohtsu-salon.online/

●オフィシャルブログ『Special One』
リンク先→http://www.kazutaka-otsu.net

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