「Jリーグを日常に」Jsnaps田代楽さんインタビュー

「Jリーグを日常に」Jsnaps田代楽さんインタビュー

「日本にはフットボール文化がない。」とSNSを始め各方面でよく言われていることを知っているが、決してそれが事実でないことも知っている。人それぞれで「文化」の定義は違うにせよ、間違いなく日本にはフットボールの文化がある。重要なのはその魅せ方を考え発信することだ。今Instagramで密かに話題を集めているアカウントJsnaps。「Jリーグを日常に」をコンセプトに、Jクラブのユニフォームを日々魅力的に見せる彼らの投稿は、一際斬新な世界観で溢れている。今回はJsnapsを作った張本人であり、クリエイターと読者を繋ぐアプリ「note」で日々独創的な文章を展開し読者を虜にしている田代楽さんに話を伺った。


ミレニアル世代で創るフットボールマガジン「47ZINE」プロジェクト!(12/2追記)

Jsnaps田代楽さんのもと、「47ZINE」という新たなプロジェクトがこの度立ち上がりました!

ミレ二アル世代がインディペンデントなフットボールマガジンを創ります!

詳しくはこちらの↓リンクから。

ミレニアル世代がインディペンデントなフットボールカルチャーマガジンを作ります!!

https://camp-fire.jp/projects/215935/preview?token=cgnvf0i3

\メディアには載らない日本のフットボールを。/『47ZINE』はミレニアル世代が作るフットボールカルチャーマガジンです。その人しか持っていないJリーグの魅力をあらゆる手法で表現します。

アカウントを始めたきっかけ

鈴木:本日はよろしくお願いします。

田代:こちらこそよろしくお願いします。

鈴木:さて早速ですが今instagramで密かに注目を集めつつあるアカウント「Jsnaps」についてと、始めたきっかけについて教えてください。

田代:元々知り合いだったFC東京のサポーターが一人いて、彼とJリーグのユニフォームを使ってスナップを撮ってみようということになりました。その経緯というのが昨年の冬ですかね、Jクラブの出しているアパレルは普段使いができないという議論が勃発して、多くの人はそれは海外のクラブのアパレルグッズがカッコいいという背景から日本はやっぱりダサいよねみたいな感じになったんです。それがJsnapsを始める前で。ただ「それって本当?」「誰もやっているところ見たことないよね?」という疑問があったのでいざやってみようと。それが始めのきっかけだと思います。

その後彼がカメラマンとエディターを担当して、モデルの子も紹介してもらって一緒になって編集をしてみると、「あれ?意外にイケるんじゃないか…?」みたいな。世間的には分からないですけど自分たちの中では納得できたというのが一番で、今まで誰もやっていないというのと、あとは魅せ方を変えればそれすらも一個の芸術になるのではという風に考えました。

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鈴木:現在は何名で運営されているのですか?

田代:カメラマン2人と実際にアカウントを動かしてくれる人、計6名ですね。基本的に僕は外でいろんな方にお会いして「こんなことをやっています」というのを積極的にお話させていただいています。

鈴木:投稿する上で意識していることはありますか?

田代:実は僕はほとんど投稿に関わっていないのですが、今はコンセプチュアルなところを作らないようにしています。というのも最終的にはいろんな人の写真を集約するまとめサイトみたいなものにしたいからで、やっぱり自分たちでアーティスティックな部分を作り込みすぎるとか凝り固まっちゃうと入りにくいというのがあるので…。実際一緒にやっている人たちには言わないですけどね(笑)僕としては若干バランスを見ています。

今後の展望

鈴木:今のお話と繋がると思いますが、今後Jsnapsをどういったコミュニティにしていきたいと考えていますか?

田代:そうですね。先ほど言った通りで日本各地の人がユニフォームを着てスナップを撮って僕らがそれをまとめる場所になれたらというのが理想です。ただそれは中々難しいと分かってはいるので、今は僕らが写真をたくさん撮ってとにかく精力的に取り組んでいます。また最近だとキャップのブランドの「hen gé」さんとコラボさせていただきましたが、そういった面白いと共感してくださるブランドの方々と一緒に何かをやっていきたいなとは思いますね。


リオやロシアに行ってサッカーを見てきて感じたのが、サッカーを使って自分を表現していい場がたくさんあること。オフラインで言えばストリートのサッカー場とか、パブとか。そこにいることもサッカーだよねという風に僕は捉えているので、そういう場所が日本にもっとね、スタジアム以外にもあるといいよねと思いました。

そこで僕たちが選んだのがInstagramで、お店とかではなくて各々が自由に自分を表現していい場所。決まりは一つだけ。Jリーグのユニフォームを着て撮影することだけです。今は自分たちで撮ってやってますけど、最近は「自分の写真使ってください」と言ってくださる方も一定数いて、そういう小さいことからいわゆるサッカー文化が広まっていくのかなと思うので、Jsnapsはそのきっかけになれる場所になれたら素敵かなと思います。

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「ピッチ外」に興味を持ったきっかけ、リオとロシアで感じた事

鈴木:さてここからは楽さん自身の事について伺っていきたいと思いますが、フットボールのいわゆる「ピッチ外」の部分に興味を持ったきっかけは何かありますか。

田代:プレーヤーを引退した後の僕のサッカーというのが、海外サッカーよりか父と一緒に見にいっていたJリーグになっていくんですけど、勝ったり負けたりそういったピッチ内のことには一喜一憂はしても、なんかどうしても途中からサポーターの歌うチャントとか、このタイミングでこのスタジアムにはこういう演出があるのかとか、ピッチ内以外の部分に目がいってました。アウェイに行って気づくことは多いですし、実際ずっと現地に行っていたタイプなので、地域によっても日本でもサッカーは異なるなと感じたりだとか、そういった要素の方が面白いなと。

ただある意味サッカーを中学校の段階であきらめたので、その若干そこに嫉妬というか拒絶があったのかもしれないというのは今になって感じることはありますね。ピッチでうまい選手みるとうらやましいなと思うし。(笑)

鈴木:海外で他にどこかサッカーを観に行ったことのある国はありますか?

田代:大きいのはリオとロシアで、最近だと規模は小さいけれどタイにはサッカーを観に行きましたね。

鈴木:そうなんですね。そこで感じたいわゆるフットボール文化の違いは何かありましたか?

田代:リオとロシアはどっちも祭典、日常とは違うタイミングで行ったというのがあるので、それを今の日本と比べるのはどうかなとは思うのですが、やっぱり小さいカフェとか、パブとか入っても地元のローカルの試合はやっていたりしますし、後はよく「サッカーは言語だ」という人がいますけど、それも間違いではなくて英語が話せなくてもサッカーがあればなんとかなるというか。普通に異なる国の人たちがリフティングをしているのを見たりすると、やっぱりサッカーをしてもいい場所、サッカーを考えてもいい場所というのは日本よりもあると感じましたね。ただそれが文化なのかどうかは果たして分からないですけど。

鈴木:それはリオもロシアもですか?

田代:そうですね。特にリオの場合は町中を歩くだけでサッカーのコートがあったりして、そこで知らない人がキーパーをやって、知らない人がFKを蹴るみたいなことが普通に行われていて、後は普通の女性がビキニきてリフティングを楽しんでいたりだとか、身近にサッカーに触れる環境が多いなとはやはり思いましたし、サッカーは「見る」より「する」から入るっていうが多いのかなというのはリオにいってからは思いました。

機能面だけではない。タイで感じたフットボールの熱

鈴木:noteにも書かれていましたが、タイではよくユニフォームが着られていたんですよね。そこで感じたことは何かありますか?

田代:はい。そもそも東南アジアではもともとユニフォームが着られていて、僕はその景色が日本で見られたら幸せだなと思って色々と考えたりはしたんですけど、実際にタイという国の事を考えてみると、果たしていわゆるタイ国内でサッカーが盛り上がってるから着ているのかという疑問と、単純に気候の事、暑いからとか。後は子供だと洋服が破れるし、日本より環境がいいとは言えないだろうし、洗濯が簡単とか、そういう意味でフットボールのゲームシャツが優れている、適しているだけなのではという二つの仮説を立てて、どっちかというと後者の方が僕の中では大きくてやっぱり機能面が大きいからだと思って行ってみたら、めちゃめちゃタイにはフットボールがあるという。

田代:それはプレミアリーグの放映権をもっているとか、レスターの親会社がキングパワーとかそういう背景はあるんでしょうけど、タイの空港を下りてすぐにはキングパワーのレスターの大きい広告があって、みんなほんとにユニフォームを着ていて。特にローカルクラブのユニフォームが思った以上に着られていました。もしかしたらもちろん機能面というのは一つあるけれど、それよりもサッカーが人気で着ているのではないかと考えましたね。

後は着ることによってある程度ブランディング力があると思うんです。例えばチェルシーのユニフォームを着ている人はなんかイケてる雰囲気を醸し出してもいいみたいな(笑)。そういう人間のカーストを表しているとまでは言いませんが、そういう面もタイではあるのかなと思ったりしました。でも日本だとそれはさすがにないと思うわけで、浦和レッズのユニフォームを着ているからイケてるねって感じではないですよね。そもそもユニフォームがってところで止まってしまうと思う。

タイに来たら、日本以上にサッカーがあった。|ガク(22)|note

https://note.mu/nenza/n/n9f211e821bfe?creator_urlname=nenza

飛行機はドンムアン空港に着く。バッキバキの体をなんとか起こし到着ゲートに向かう。長い廊下を歩きながら、格安だからといってセントレア発の飛行機に乗るのはもうやめようと戒めた。 バンコクの中に2つあると言われているこの空港は古いものらしい。確かに公民館みたいな廊下が続いていた。 税関を超え、バスへと向かう。向かう先はカオサンロード。かつてはバックパックの聖地として栄えたところらしいが、いまもそれほどの熱気があるのかはわからない。 空港のゲートを超えると、あの異国に入った時の独特の雰囲気に包まれる。熱気と湿度と独特のにおいが日常を吹き飛ばす。 カオサンロードに向かうバスにはすでに多

海外がマイナスの思考で発展したなら、日本はプラスの思考で発展を。

鈴木:ありがとうございます。それでは今のJリーグや日本のフットボールは楽さんの目にはどう映っていますか?

田代:色んなところで「日本にはフットボール文化がない」という人がいると思いますが、例えば多くの人が想像されるそのフットボール文化とは、サッカー専用の小さいスタジアムが海外にはたくさんあるとか、街のフットボールに対する熱が凄いとか、週末には多くの人がスタジアムやパブに集まるとか、そういったものになると思います。ただ果たしてそれを日本でやることが日本のフットボール文化であって面白いのかというのは若干思っていて。やっぱりイングランドとかだったら労働階級がとか、カーストがとかいうじゃないですか。住む場所によってその反逆心じゃないですけど上級の人達に労働者の階級の人達が勝つことが何よりの幸せだ!とそういうことがあったりする。

でも日本だとそれはないですよね。現状幸せだし、衣食住もしっかりしているしっていう中である意味海外のフットボール文化って「憎しみ」とかそういうところから生まれてるってことがあるんだろうなと思います。

なので日本でそれをやるのは無理なんですよね。そもそもJリーグが出来てまだ26年。なら日本のフットボール文化で何を考えるかというと、日本人僕らは何かをサッカーを通じて成し遂げたいとか、海外がマイナスから発展したとするなら、日本はそういうプラスの思考で発展するしかないのではないかと思っています。例えばそれこそサッカーをやるしかないとか見るしかないとか、楽しまないと生活がやってられないという人たちが創り出した海外のフットボール文化と、こういう表現がしたいとか例えば僕たちのようにユニフォームを着られている風景が見たいとか、そういう風に考えて出来るフットボール文化は違うと思っていて、日本は僕は圧倒的に後者だと思う。

だからそこで文化がないという、それはいわゆる海外のサッカー文化が日本にないよねっていうのはちょっとナンセンスというか。それはないですよと思いますね。現在平均入場者数が2万人を超えるJリーグ、毎週18チーム各9カ所人を集めるJリーグがあって文化がないというのはそれはまた違うんじゃないかと。

Getty logo

田代:あと僕の書いたnoteの記事で一つ炎上したものがあって(笑)

日本代表の試合があると渋谷に若者のミーハーが集まると思うんですけど、あれは日本のフットボール文化ではないっていう人がたくさんいますよね。ですが僕はそれは文化だと思うんです。要は結局それはハロウィンとかと同じで、あれは海外でも同じことが起こっているはずです。バックグラウンドが違うだけで参加する気持ち自体はミーハーな人達がパブリックビューイングにも行くし、お酒は飲むし、騒ぐしというのがあって、それも一つのフットボール文化だと思うし、センター街で行われてるあの光景も日本のフットボール文化じゃないかなと思います。それをサッカーのサポーター歴が長いとか、業界にいる人が拒絶するというのは果たして正解ですかというのは思ったりしますね。ほんとにサッカーを楽しむんだったらみんなでやったらいいのになと思うのですが。

残念ながら「日本サッカー」は渋谷にある。|ガク(22)|note

https://note.mu/nenza/n/n4cf5c09ba3d3?creator_urlname=nenza

人々が時に駆け足で、時に千鳥足で交差する渋谷のスクランブル交差点。日本のカルチャーを勉強する上で通らざるを得ないこの場所で日本サッカーについて考える。 渋谷になんであんなに人が集まるかはわからないけれど、いくつになっても何回来ても、あのスクランブル交差点を渡る時のひそひそと感じる高揚感は消えることのない。みんなその高揚感がたまらないのかな。 日本とベトナムが対峙したアジアカップは日本の勝利で終わったが、その試合内容なのかもろもろの事象なのかに納得しない方々が、思い思いの感想をSNSで垂れ流していた。ぼくはゼミの飲み会だったもので1ミリも見ていない。 その感想の中には、ピッチ

主体的に取り組んでいる人がたくさんいることが、サッカー文化を作ることに繋がる

鈴木:最後になりますが、日本独自のフットボール文化を広めるため、根付かせるために今のサッカー好きの若い人たちにできることとすればどういったことが挙げられると思いますか?

田代:自分の考えを発信することだと思います。何故かってサッカーって正解がないものだと思っていますし、僕も大学4年生の頃に発信し始めて、発信していくうちに面白いねと思ってくれる人が増えたりもしましたし、自分の思ってることを言ってもいい場所だと思うんですよね。むしろそうやって発信している人がいっぱいいることが一番サッカー文化を作ることに繋がるんじゃないかと思います。主体的に取り組んでいる人が多いほど、面白いものは相対的に増えていくと思うし、若者はほんとに好きな事を書けよ!と思いますね。中々難しいのかな。だけどそういう場所を作りたくて#Jsnapを一生懸命いろんな人を巻き込んでやらせてもらっています。発信していれば誰かが見てくれてるのでほんとに。時間はかかるかもしれないけれど、何か意見があれば僕のところにきてください(笑)

鈴木:本日はありがとうございました。

田代:こちらこそありがとうございました。


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'97。デザインとサッカー・Jリーグの勉強をしていますよ。

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