元フットサル日本代表!藤井健太氏のレッスンに訪問取材!

元フットサル日本代表!藤井健太氏のレッスンに訪問取材!

元フットサル日本代表の藤井健太氏は、フットサル界のレジェンドとも称される存在です。藤井氏は現在サッカー、フットサルの普及活動を様々な方法で実施していますが、その中の1つ、三重県津市で開催されている地域貢献のレッスンについて、今回筆者は現地に足を運び取材してきました。


 11月6日、三重県津市で元フットサル日本代表、藤井健太氏が指導する「藤井健太ワールド~ボールで笑顔になるレッスン~」が開催されました。こちらは津市スポーツアカデミー「MARAVILHA」代表や、なでしこリーグ「伊賀くノ一FC」のコーチを務める林一章氏が企画し、月1回のペースで継続開催している地域貢献のレッスンです。随時参加者を募集していて、参加すれば藤井健太氏から直接指導を受けることができます。

 今回、筆者は津市を訪問し直接取材してきました。会場はお寺のすぐそば。日が沈み始める中、参加者の子ども達が続々と集まってきました。レッスンは学年別となっていて、まずは小学校5年生のクラスから開始です。

藤井健太ワールド~ボールで笑顔になるレッスン~とは

(左:藤井健太氏 右:林一章氏)

レッスンは以下の3種類です。
17:30-18:30 小学校5年生のレッスン
18:40-19:40 小学校6年生のレッスン
20:00-21:30 中学生以上(成人以上も参加可能)のレッスン

 小学校5年生のクラスは全体的に無邪気で子どもらしい笑い声が響き合い、小学校6年生のクラスになると少し子ども達の雰囲気が大人びて、中学生以上のクラスでは成人女性やレッスンに参加している子どもの父親も混じり、内容は最も難易度が高くなっています。

 レベル別のクラスではないので、様々な参加者がいます。身体能力が高く技術面が際立って優れている子もいれば、純粋に楽しんでいることが伝わってくる子もいます。個性豊かな子ども達に対し、藤井氏は一貫して同じ口調、同じ態度で接していました。

 藤井氏はレッスン中に何度も「遊ぼう」と声をかけます。元フットサル日本代表という経歴を持つ藤井氏。筆者は実際にお会いするまで、スパルタ指導で徹底的に技術を叩き込む方向性のレッスンになるのではないかと考えていましたが、柔らかい口調で子ども達とコミュニケーションを取り、優しく指導しているのが印象的でした。

 筆者は中学生以上のレッスンに少しだけ参加させてもらいました。中学生以上のレッスンともなると筆者がまったく同じメニューを行うのは難しいので、内容は簡単にしてもらい、シンプルなリフティングを教わりました。スタート時、1回もできずに見当違いな方向に飛んでいくボールを何度も目で追う展開を繰り広げましたが、足の出し方やボールを当てる位置まで、藤井氏の丁寧な指導で最終的には連続2回できるようになりました。

「楽しいサッカー」を重視する藤井健太氏にインタビュー

 レッスン後、藤井氏に直接インタビューする時間をもらいました。「藤井健太ワールド~ボールで笑顔になるレッスン~」に参加している生徒のレベルは様々です。年齢が同じでも、技術面は個人によって差がありますが、その中で藤井氏はどのような指導方針を意識しているのでしょうか。

 「大きいくくりで何年生だからこう指導していくという感じや、上手い子、不得意なことが多い子、どちらかの実力に合わせて指導内容を決めるというよりは、レッスンに来ている子、1人1人とどう関わっていけるかっていう部分を大切にしています。サッカーでこれはできるけど、これはできないとかもあると思います。その時に、それがおもしろいと感じる子もいれば、サッカーが嫌いになる子もいる。嫌いになっちゃう子にも僕はできるだけ、こうすればおもしろくできるんじゃない?って伝えたい。楽しいって感じる練習メニューなら子ども達は勝手にやってくれるから、楽しいって感じられない子にサッカーってこういう風にすることで楽しくできるよ。とか、こうすることが良いんじゃない?ってことを伝えてあげたい」

 藤井氏には輝かしい実績がありますが、そこに辿り着くまでに継続して積み重ねた努力は人並み外れたものだったと思います。その藤井氏が「楽しむこと」を重視しているとこいうこと。それは、未来を見据える前にまずサッカーを楽しむことが絶対条件として根底に必要で、頑張る原動力にもなるという証明かもしれません。

 「努力することで笑顔になるし、自分が掴みたいものを掴めるのは小学生でも中学生でも同じ。ある意味では大人はどこか忘れかけていることかもしれないけど、大人も思い出せます。大人の中には、これはフタをして、自分のやりたいことはやるっていう風にする人もいるけど、大人のその姿をみて子は育ちます。本当に頑張らないといけないときにフタをしちゃう子に育ったら、何かを掴むことができなくなってしまいます。僕はそういうことに対して、そうじゃないよって、アプローチすることが大切かなって思っています」

 まだ始動してから日が浅いレッスン。藤井氏自身も試行錯誤しながら「楽しむ」ことを重視し、子ども達の成長に力を尽くしたいという熱い気持ちが伝わってきました。

地域貢献レッスンの理念

(写真:レッスン会場)

 「藤井健太ワールド~ボールで笑顔になるレッスン~」は、運営をしている林氏の経験から誕生したそうです。林氏に経緯を教えてもらいました。

 「僕はいろんな小学校中学校に行って、夢を持つことの大切さや、夢があるから頑張れるっていうテーマで話をする活動をしていたのです。僕の母校、三重県津市の学校にも行ったのですが、その時にあなたの夢は何ですかって聞いたら野球選手やケーキ屋さんといった、僕らの小学生の頃とそんな変わらない夢を語ってくれたのですが、1人の男の子が、俺どうせ無理だからサラリーマンでいいやっていったのです。それを聞いた他の子達も無理かもしれないって言い始めて。それまで20以上の学校へ行っていたのですが、そんな風になったのは僕の母校が初めて。とても悔しかったです。なぜそうなるのかなって、考えました。その結果、この町が中途半端だからかなって」

 林氏には、三重県の津市でサッカーをしてきたからこそ、わかる現実があったそうです。

 「三重県津市は都会ではないけど、とても田舎というわけでもない。でも、周りには何もなくて。サッカーなら頑張ればJリーガーになれる。例えば近隣なら名古屋グランパスか、ガンバ大阪か、セレッソ大阪。小学生ならそこのジュニアユースに入ればチャンスがある。でも、入れなかったら次の選択肢があまりないのです。東京や大阪ならそこそこのチームが他にもある。でも、この町にはそういうのがありません。だから、小学生の段階で、俺グランパス落ちたから無理やとか、子どもなりに何となく感じてしまうのかもしれません。僕に何かできることはないかなって思ったことがそもそものきっかけでした」

 林氏がこのように考えて行動したのは2009年のことだったそうです。

 「2009年時点で、三重県津市出身のJリーガーが現役で5人いました。彼ら全員に声をかけて、サッカー教室をやろうって。彼らJリーガーのオフの期間は12月の終わりから1月の頭。そのときにもしもこの町に戻ってきているなら、参加して欲しいってスタートしました」

 サッカー教室で活動する指導者はたくさんいて、三重県津市出身者ではなくても指導意欲があり、林氏の考えに共感してくれる指導者はいるかと思いますが、どうして三重県津市出身者にこだわりを持ったのでしょうか。

 「例えば中田英寿さんが指導しに来てくれるってなったら子ども達は喜んでくれるし、頑張ってくれる。でも、けっきょく津市で生まれ育った自分とは最初から世界が違うって感じるのではないかと。津市で生まれ育った自分ではできないだろうっていう気持ちを捨てさせたかったのです。津市出身でJリーガーになった選手だったら、環境は同じですよね。津市で生まれ育った人間から、頑張ればできるっていってもらいたかったのです」

 このような背景で2009年からスタートしたレッスンは形を変えたり新しい取り組みを含めたりして進化しながら、2017年の今の形に辿り着いたそうです。

 「元々の理念はそういう感じで。最初は年に1回の活動でした。それがだんだんと今の活動になっていきました。藤井くんのような指導者にきてもらって、本当の意味でサッカーの楽しさを知ってもらえれば、もっと自分から動き出そうってなれるかなって。このレッスンは、その習慣付けの1つだと考えています。それが、サッカーだけではなく、いろんな面に繋がっていくのではないかと思うのです」

レッスンへの参加方法

 「藤井健太ワールド~ボールで笑顔になるレッスン~」には、小学校5年生以上であれば、成人、男女問わず参加可能です。開催日に参加できるなら参加するという形になります。スケジュールについてや参加の申し込みについては以下のメールアドレスから問い合わせてください。

【レッスン問い合わせ先】
shitennojiopenpark@gmail.com

 環境によるスタートラインの差というものは、サッカーに限らず様々な業界で現実的に避けて通れない問題だと思います。大人であれば「それでも自分の選択肢は1つではない」と想像したり対処方法を考えたりすることができますが、子ども時代はなかなか難しいです。大半の子ども達にとっては存在している環境が世界の全てです。他の世界、選択肢をまだ知らないからこそ、諦めに繋がることもあるかと思います。いくつになっても出会いで人は変わることができますが、早い段階から藤井氏や林氏のような存在に出会い、仮に何かを迷っているとしてもサッカーを心から楽しむことができれば、日本のサッカーの未来に繋がる可能性があるのではないでしょうか。

このまとめのライター

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