ペップ戦術!グアルディオラがフットボールにもたらした革新的アイデア5選!

ペップ戦術!グアルディオラがフットボールにもたらした革新的アイデア5選!

今季からマンチェスター・シティの監督に就任し、プレミアの舞台でどのようなサッカーを展開するのか全世界の注目を浴びているペップことグアルディオラ監督。彼がそのキャリアの中でもたらしたイノベーションをイギリスメディア『スカイスポーツ』が特集。


グアルディオラ革命

数々の革新的アイデアでフットボールに革命を起こしてきたペップことジョゼップ・グアルディオラ。そのインパクトは、トータルフットボールの提唱者リヌスミケルスやゾーンプレスを発明したアリゴ・サッキにも匹敵すると言われている。

ペップはどのようにシティを改革していくのか。それを考える一助として、彼がその輝かしいキャリアの中でフットボールにもたらした、革命的なアイデアを5つ見ていくことにしよう。

1. 6秒ルール

その破壊的なまでのポゼッションサッカーで一世を風靡したペップバルサ。しかしその実、ペップのカンプノウ時代の最も重要な発明は、ボールを"持たない"時のアプローチに関してだった。ポゼッションを失った後、ボールを奪い返すスピードをあげたかったグアルディオラが思いついたのが、6秒ルールの導入である。

アイデアはこうだ。ボールを失ってから6秒間、非常に高いインテンシティでもってボールを奪い返しにかかる。ボールホルダーにもっとも近い選手が即座に猛然とプレスをかけ、残りの選手は守備網を縮めてコンパクトな陣形を構築する。目的はパスの選択肢を狭め、相手にミスをさせること。もし6秒以内にボールを奪取できなかった場合でも、6秒ルールで構築されたコンパクトな守備網を打破するのは難しい。

グアルディオラはバイエルンでも同じルールを導入し、守備組織を自らの哲学の要であると表現したこともある。ポチェッティーノのトッテナムやクロップのリバプールでも似たような戦術を見ることができるが、今シーズンはここにペップシティの名も加わることだろう。

2. メッシの偽9番起用

グアルディオラのバルサでのキャリアにおいて、メッシほど重要な選手はいなかった。2008年にライカールトからチームを引き継いだ段階でメッシは既にスターティングイレブンに名を連ねていたが、ペップはシンプルなコンバートで彼の真のポテンシャルを引き出した。ペップがこのアイデアを思い付いたのは、2009年3月、タイトルを左右するベルナベウでのクラシコの前夜だった。

『ペップ・グアルディオラ キミにすべてを語ろう』の著者パラルナウの記すところによると、「グティ、ガゴ、ドレンテで構成されるレアルの中盤から、シャビとヤヤの二人が尋常ではないプレッシャーを受けること、またファビオ・カンナバーロとメッツェルダーのセンターバックコンビは、カシージャスの守るゴールマウス前に張り付きたがる傾向があることにペップは気づいていた。そして、その事実はバイタルエリアに広大なスペースが空くことを示していることも。」

グアルディオラは、メッシを偽9番としてこのスペースで自由にさせることを決めた。夜遅くであったがオフィスにメッシを呼び出してアイデアを説明したその翌日、ベルナベウでメッシとFWサミュエル・エトーがポジションチェンジを行ったその瞬間から、システムは効力を発揮した。

パラルナウはこうも書いている。「この戦術は完璧に機能し、バルサは6-2というスコアでレアルを粉砕。メッシは偽のナンバー9となり、この日からペップはこのシステムにこだわるようになった」
もっとも、セルヒオ・アグエロという傑出した典型的ストライカーを擁するシティでこの偽9番システムを採用するかどうか。それは不透明であると言わざるをえない。

3. 大胆なコンバート

グアルディオラによって「再発明」された選手はメッシだけではない。ハビエル・マスチェラーノは彼の指導の下ワールドクラスのセンターバックになり、バイエルンではわずかプレシーズンの数試合で、右サイドバックだったフィリップ・ラームのセントラルMFとしての適性を見抜いた。「フィリップがどれほど巧みにパスを通すかみたか?どうやってターンするかは?どうやってボールをキープするかは?彼はウイングでもフィールドの中央でもプレーできる。」


案の定、ラームはブスケツに対するバイエルンの解決策となった。ペップは語る。「フィリップはゲームを理解している。全ての選手ができることじゃない。彼はすべてのポジションでプレーができる。フットボールは、自分のポジションで何をすべきかを一秒足らずで決定しなければならないゲームなんだ。そして彼が判断することは常に正しい」

グアルディオラは、同じような適性をアラバにも見出した。ここ3シーズンで、アラバはほぼすべてのポジションでプレーしたことになる。シティにはそのような扱いを受けそうな候補は見当たらないが、歴史が示しているように、彼はきっとサプライズを用意しているだろう。事実、左サイドバックが本職のアレクサンダー・コラロフをセンターバックとして起用するなど、いくつかのアイデアを温めているようである。

4. 工夫されたプレシーズントレーニング

典型的なプレシーズントレーニングというのは、運動能力面に関する過酷なものである。しかし2013年の夏、バイエルンの選手達はペップが通常とはかなり違うやり方を好むことを知った。「ジョギングなし、長距離走なし、ウェイトリフティングもなし。サーキットトレーニングもせず、アスリート的な面に特化したメニューは一つとしてなかった。事実、到着した選手たちを待ち受けていたのは、"山のようなフットボール"だった」

選手たちのテクニック向上にフォーカスするため、通常のトレーニングメソッドを避けるのがペップ流。それゆえに、シティのプレーヤーたちがボールを使ったメニューや「鳥かご」に取り組む姿を撮られたとて、なんら驚くべきことではない。

『スカイスポーツ』の取材において、シティFWイヘアナチョは、シティの選手たちが慣れているタイプのトレーニングとは「かなり違ったやり方」のトレーニングが行われていることを認めている。「彼は新しいアイデアと彼独自のスタイルをもたらしている。すべてが違う。みんなが彼が教えてくれることに適応中だ。僕たちは彼が言うこと、チームにもたらそうとしていることを理解しなければいけないね。」

5. 可変システム

バルサ時代4-3-3をメインシステムとして採用していたグアルディオラだが、ミュンヘンで彼が見せたのは、比類のなき戦術的柔軟性と特定のシステムへのこだわりのなさであった。バイエルンでの3年間で、彼はまるで仕立て屋であるかのように相手の強みや弱みに合わせて"特注で"フォーメーションを組むことで有名になった。同じ試合の中で、システムを2度3度と変えることも決して珍しいことではなかった。

サッカーサイト『WhoScored』によれば、ブンデスリーガでのラストシーズンでバイエルンは7つもの異なったフォーメーションを使用したらしい。4-1-4-1のような形が最多だが、ペップは4-2-3-1や3-4-3、3-1-4-2などを採用することもあった。タッチラインの外から、システムやポジションチェンジに関する指示を絶え間なく叫び続け、選手たちのポジションを緻密にコントロールしていた。

こういったアプローチは、ペジェグリーニ政権下で4-2-3-1と4-4-2という2つのオプションしか持たなかったシティに劇的な変化をもたらす可能性がある。なにせトレブルを達成したハインケスのチームをいじくることになんのためらいを見せなかったペップのことだ、今までのシティのやり方を尊重しすぎるなんてことは到底ありえないだろう。

The top five innovations of Pep Guardiola's coaching career

http://www.skysports.com/football/news/15126/10505903/the-top-five-innovations-of-pep-guardiolas-coaching-career

※本記事はイギリスメディア『Skysport』の記事"The top five innovations of Pep Guardiola's coaching career"の翻訳に独自に加筆修正を加えたものです。

このまとめのライター

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